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開催レポート

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いんぴっとONE 第1回セミナー・交流会「経営に役立つヒントがみつかる!『いんぴっとONE』始動」

 2024年12月5日、いんぴっとONE 第1回セミナー・交流会「経営に役立つヒントがみつかる!『いんぴっとONE』始動」を東京・虎ノ門のINPIT研修教室の会場とオンラインにて同時開催し、178名にご参加いただきました。
 ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
※会場参加者とオンライン参加者の合計人数

「情報発信」と「交流」で知財の輪をつなぐ『いんぴっとONE』

 中小企業は契約や知財の課題だけでなく、パートナーとの出会い方、事業の方向性などさまざまな悩みを抱えています。『いんぴっとONE』は知的財産という切り口から、中小企業、大学、支援機関等の多様なプレイヤーが生態系のように関係しあうことで発展する自立的な取組としてスタートしました。『いんぴっとONE』では、経営や事業戦略等に役立つ知財セミナーを毎月開催し、3カ月に1度はオフラインでの交流会を実施して、参加者間のネットワーク形成を促進します。また、Webサイトでは、経営や事業、研究開発に知財を活用するための情報を発信していく予定です。

「いんぴっとONE」について説明するINPIT知財戦略部 鷲﨑亮部長

 第1回セミナー・交流会「経営に役立つヒントがみつかる!『いんぴっとONE』始動」では、2つのセッションを実施しました。パート1は、弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 代表パートナー弁護士の鮫島正洋氏の講演「中小企業経営に生かす知財戦略の考え方」と、鮫島氏とINPIT 渡辺治理事長との対談を実施しました。

弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 代表パートナー弁護士の鮫島正洋氏

中小企業経営に活かす知財戦略の考え方

 鮫島氏からは、「中小企業経営に活かす知財戦略の考え方」と題して、「技術を収益化するためのメカニズムと知財の効能」、「知財戦略を活用してニッチトップへ」の2つのテーマについて講演いただきました。

INPIT 渡辺治理事長と鮫島氏

 鮫島氏と渡辺理事長との対談では、「知財専門家は、事業戦略と知財戦略をどのように関連付けてコンサルティングするべきか」「ニッチトップを狙う場合、開拓されていない領域はそもそもマーケットがないのでは?」といったテーマでディスカッションしました。

 講演・対談の様子は、IP ePlatにアーカイブ動画として掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

ソフトウェアの受託開発からモノづくりに挑戦した中小企業経営者に聞く!知財で広がる未来

INPIT 広瀬勇一知財戦略エキスパートと株式会社アルコ・イーエックス代表取締役 木田文二氏

 パート2の交流会では、「中小企業経営者に聞く!知財で広がる未来」と題し、株式会社アルコ・イーエックス代表取締役 木田文二氏へのインタビュー形式のセッションを行いました。
 同社はソフトウェアの受託開発を手がけてきましたが、知財をきっかけに、新規事業として介護・医療現場向け見守りシステムの開発に取り組み、自社製品として発売しています。インタビューでは、自社製品開発に挑んだ背景、販路開拓の苦労などのお話を伺いました。

 セッション後は、参加者の名刺交換や情報交換が行われ、知財専門家との出会いや、新たな事業のきっかけづくりに活用されていました。
 次回のいんぴっとONE第2回セミナーは、2025年1月24日にオンラインにて開催する予定です。

交流会の様子

参加者からのコメント

経営者のリアルな体験談が聞ける貴重な機会

株式会社アルファドライブ イノベーション事業部
R&D Incubation Center兼イノベーション1グループ 知的財産戦略担当

三原 雄一

 以前にINPITで担当していただいた方からの紹介で参加しました。現職では知財戦略担当として新規事業開発の支援に携わっており、知財戦略の非常性を日々強く認識しています。鮫島先生の講演で解説された「収益化するための4つの要件」は、すぐに我々の支援活動にも取り入れたいと考えています。また第2部のインタビューは、中小企業経営者の生々しい経験談に感銘を受けました。他社の事業立ち上げの苦労や知財活用の裏話を直接聞く機会は貴重であり、この場に参加したからこそ得られるものです。また、知財業界は比較的狭いため、以前にお仕事をご一緒した方と再会することもできました。参加することでネットワークも広がり、たまたま隣の席になった方とは新しい仕事につながりそうです。オンラインセミナーも有益ですが、ぜひリアルでの参加をお勧めします。

三原 雄一氏

経営上の理論に基づいて特許を取るべき理由が腹落ちした

株式会社 奴ダイニング 取締役COO
株式会社フォース ファウンダーCEO

河野 浩和

 私は外食業界のほかに福祉関係の事業も手掛けており、今回は同業者の話を伺えると聞いてセミナーに参加しました。鮫島先生のお話はロジカルで、「製品をつくったから特許を取ろう」という単純な発想ではなく、経営上の理論に基づいて特許を取るべき理由がわかり、非常に腹落ちしました。外食や福祉の事業で特許を取得することは少ないのですが、店舗やブランドの商標は重要ですので、商標の取り方や考え方についても多くのヒントをいただきました。この貴重なご縁を大切にし、今後も積極的に知財について勉強していきたいと思います。また、知財は敷居が高いイメージでしたが、交流会でのコミュニケーションを通じて、知財をより身近に感じることができました。特許や商標に関して気になる点がある方にとって、非常に有益な情報が得られるセミナーだと思います。

河野 浩和氏

自社商品開発に知財は避けては通れないことを改めて認識した

株式会社発明ラボックス 代表取締役/発明家

松本 奈緒美

 当社では会員向けに新商品の開発支援をしていますが、どうしても自社商品を作ることに意識が偏りがちです。鮫島先生のお話で「収益化するための4つの要件」を知り、量産体制の整備や販路の開拓など、弱い部分を強化していかなければいけないことを改めて認識しました。会員の方々も知財の重要性は理解しているものの、最初はハードルが高いと躊躇されます。しかし、避けていては事業の成長は難しいのでまずはチャレンジすることが大事です。今回のセミナーでは、知財を活用して新規事業に取り組まれている経営者の方の実践的なお話も伺えて興味深かったです。「最初は知財のことがわからず苦労した」と話されていましたが、商品開発では必ず通る道ですね。交流会では経営者や専門家からリアルなお話を聞けるので、まずは一度セミナーに参加すると知財について考える良いきっかけになると思います。

松本 奈緒美氏

大学ベンチャーと中小企業は似た部分が多く、今後の支援に役立てたい

国立大学法人 東京科学大学
産学競争機構 法務室 リサーチ・アドミニストレータ―(URA)
集積Green-niX研究・人材育成拠点URA(兼務)
法務博士/FP

吉川 淳一郎

 東京科学大学の法務や知的財産権のライセンス契約、知財に関する大学発ベンチャー支援に携わっており、情報収集として参加しました。中小企業向けのセミナーですが、大学ベンチャーと中小企業とは似た部分も多いので、鮫島先生や経営者の方のお話から得た学びを今後の支援活動に役立てたいと思います。INPITは特許の相談をする場所というイメージがありますが、実はそれだけではなく、中小企業の経営やビジネス戦略に知財は深く関わっており、経営の悩みや新規事業の戦略構築の支援もしてくれます。商標権によるブランドの保護など知財の有効活用は競争力の強化にもつながります。「うちの会社に特許は関係ない」、「知的財産はよくわからない」という方も、気軽にセミナーに参加されることをお勧めしたいです。

吉川 淳一郎氏
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