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開催レポート

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いんぴっとONE 第3回セミナー・交流会
「知財で「勝つ」中小企業の経営戦略」

 2025年2月27日、いんぴっとONE 第3回セミナー・交流会「知財で「勝つ」中小企業の経営戦略」を東京・虎ノ門のINPIT研修教室の会場とオンラインにて同時開催し、180名にご参加いただきました。
 ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
※会場参加者とオンライン参加者の合計人数

「知財と契約で勝ち抜く」富士電子工業 渡邊弘子社長が語る経営戦略

 『いんぴっとONE』では、経営者やビジネスを支援する皆様が相互に交流できるコミュニティの形成を目指し、ビジネス展開に役立つ情報をお届けするセミナーを毎月開催しています。
 第3回となる本セミナーでは、高周波焼入のリーディングカンパニーである富士電子工業株式会社 代表取締役社長 渡邊弘子氏を講師に迎え、知財で「勝つ」ための経営戦略や具体的な取り組みについて講演していただきました。

富士電子工業株式会社 代表取締役社長 渡邊弘子氏

 富士電子工業株式会社は、高周波誘導加熱装置の設計、製造、開発を行っています。誘導加熱(Induction Heating:IH)とは、電磁誘導の原理を利用して加熱する技術で、IHクッキングヒーターなどの調理器具として広く利用されています。このIH技術を金属加工の熱処理に活用することで、より強度の高い小型部品の製造が可能となります。また、熱源は電気のみのため使用時にCO2を排出せず、高い熱効率により消費電力の削減にも貢献します。
 同社の高周波誘導加熱装置は、国内のすべての自動車メーカーや工作機械メーカー等に加え、海外20カ国以上に出荷されています。

 講演では、同社が現在取り組んでいる、IoTを活用して高周波誘導加熱装置の状態を可視化する「FD-ioT(エフディオット)」サービス、電気とガスを組み合わせた「ハイブリッド加熱炉」の開発と、それに伴う知財戦略について解説されました。また、長年にわたる国内外の大手企業との取引経験から、知財や営業秘密に配慮した契約の注意点を、具体的な契約書の事例を交えて説明していただきました。

 講演の内容は、IP ePlatにアーカイブ動画として掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

アイデアを生み、守る組織づくり~知財戦略の裏話

 セミナー後の交流会では、INPIT知財戦略エキスパートの小原 荘平がインタビュアーを務め、渡邊氏から知財戦略の裏話をお伺いしました。
 インタビューでは、リーマンショック直前の2008年5月に社長に就任された当時のエピソードから高い業界シェアを維持するための秘訣、IoTという新しい技術分野でのチーム編成や社内の体制づくりなどをお話いただきました。

INPIT知財戦略エキスパート 小原 荘平と富士電子工業株式会社 代表取締役社長 渡邊弘子氏

 セッション後は、参加者の名刺交換や情報交換が行われました。

 次回のいんぴっとONE第4回セミナーは、2025年3月24日にオンラインにて開催する予定です。

参加者からのコメント

デザインの信頼を築く知財の学び

C.G.プルーラ
代表/クリエイティブディレクター

宇賀地 裕子

 INPITの専門家派遣事業でクリエイティブディレクター/グラフィックデザイナーとして登録しており、知財の勉強のために参加しました。専門家派遣事業では、意匠や商標のロゴマーク登録について支援をしています。また、その際に、特許の登録についてのご相談を受けることもあり、各企業の強みに合った適切な専門家をご紹介できるよう、こうした交流会で人脈を広げるように心がけています。意匠登録を依頼されたとしても、特許や実用新案が取得可能かどうか助言できれば、お客様のためにもなりますし、デザイナーとしての信用にもつながります。今回のセミナーでは、大手に権利を奪われないための契約のお話が大変参考になりました。セミナーで学んだ知識を今後の支援や自身のデザイン活動に役立てたいと思います。

J-PlatPatとWebの予習でより理解が進む

メーカー勤務

匿名

 メーカーの知財部に勤めており、情報収集のために参加しました。事前に富士電子工業のホームページを拝見し、技術情報が豊富に掲載されている点や、YouTubeのコンテンツが非常に充実している点に感心しました。また、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で出願されている特許情報も調べたおかげで、セミナーの内容を理解しやすかったです。富士電子工業は新しい技術を積極的に取り入れ、技術情報の発信・共有をする社内風土を持っているからこそ、これだけの知財活動ができているのだと感じました。交流会では、渡邊社長と直接お話する機会があり、質疑応答では聞きにくいことも伺うことができたのがよかったです。セミナーに参加される際には、ぜひJ-PlatPatとホームページで登壇企業の知財情報を収集することをお勧めします。

事例を参考に、クライアントに特許出願を促したい

弁理士

匿名

 インターネットで交流会を探していたときに、偶然見つけ、セミナーの内容が知財戦略だったため、クライアントへのアドバイスの参考になると考えて参加しました。契約書の作成やチェックは担当ではありませんが、たまにお客様から見せていただくことがあります。秘密保持契約の注意点や不利な条件を回避する方法などのお話はとても参考になりました。特許出願や知財活動に前向きではない企業も少なくありませんが、富士電子工業さんの事例を伺って、特許を活用した売り込み方や大企業との交渉に利用する方法を学び、クライアントに特許出願を促すべきかもしれないと感じました。弁理士として知財の勉強になり、交流会では多様な業種の方とも人脈を広げられました。また時間が合えば、ぜひ参加させていただこうと思います。

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